感情は、身体の反応が先に決めている

まず、意外な事実からお伝えします。

私たちは、「不安だから、心臓がドキドキする」と思っています。
でも、実際の順番は、逆のことが多い。
心拍が上がり、身体が緊張する。その身体の反応を、脳が後から「これは不安だ」と解釈している。

つまり、感情は、身体の状態に、大きく左右されているのです。

だとすれば、プレッシャーに強いかどうかは、心の強さというより、身体が、動揺をどれだけ吸収できるか、で決まってきます。

同じ強いストレスを受けても、
身体がそれを受け止め、すぐ落ち着きを取り戻せる人は、動じない。
身体が過剰に反応し、なかなか戻れない人は、飲まれてしまう。

タフさとは、この「身体が戻る力」のことなのです。

タフな人は、切り替えが速い

その「戻る力」を担っているのが、自律神経です。

自律神経には、身体をアクセルのように高める交感神経と、ブレーキのように鎮める副交感神経があります。

プレッシャーがかかると、交感神経が働き、心拍や血圧が上がる。
これは、誰にでも起こる、正常な反応です。
大事なのは、その後です。

タフな人は、山場が過ぎると、副交感神経がすっと働いて、高ぶった身体を、すばやく平常に戻します。
この切り替えが、速い。

一方、打たれ弱いと感じる人は、この切り替えがうまくいきません。
一度上がった交感神経が、下がらない。
アクセルが踏まれっぱなしで、緊張も、不安も、いつまでも続いてしまう。

タフさとは、動じないことではなく、動じても、すぐ戻れること。
その戻りの速さが、自律神経の働きで決まっているのです。

「戻る力」は、鍛えられる

ここに、希望があります。

自律神経の切り替え、この「戻る力」は、生まれつきの性格ではありません。
身体を通して、鍛えることができます。

ポイントは、アクセルとブレーキを、両方きちんと使える身体をつくることです。

多くの人は、日々のストレスで、アクセル(交感神経)が踏まれっぱなしになっています。
ブレーキの踏み方を、忘れてしまっている。
だから、高ぶったら、戻れない。

呼吸や、身体の緊張をゆるめる働きかけを通じて、
このブレーキを、もう一度使えるようにしていく。
そして、上がっても下げられる、その振れ幅の大きさを、育てていく。

意図的に心拍や緊張を上げて、また下げる。
この繰り返しが、自律神経の切り替えを、しなやかにしていきます。

B-side GYM の考え方

タフさとは、動じないことではなく、動じてもすぐ戻れること。
心を鍛える前に、戻れる身体を整える。

メンタルを鍛える前に、身体を

まとめます。

打たれ強さの正体は、根性でも、生まれ持った性格でもありません。
プレッシャーで高ぶった身体を、すばやく平常に戻す、自律神経の切り替えの速さです。

そして、それは身体を通して、鍛えられます。

もし、プレッシャーに弱い、引きずりやすい、と感じているなら。
それは、あなたのメンタルが弱いからではなく、身体の「戻る力」が、鈍っているだけかもしれません。

心を強くしようと、気合いを入れる前に。
その土台となる、戻れる身体を、整えてみてください。
本当のタフさは、気持ちではなく、身体から生まれます。