切り替えは、意志ではなく身体がやっている

オンとオフの切り替えは、気持ちの問題だと思われています。
でも実際には、身体の中の自律神経が、その切り替えを担っています。

活動しているときは、交感神経が優位になり、身体は仕事モードになる。
休むときは、副交感神経が優位になり、身体は回復モードに入る。
本来、この2つは、状況に応じて、自然に入れ替わるものです。

ところが、この切り替えのスイッチが、うまく働かなくなることがあります。
仕事が終わっても、交感神経が優位なまま。
身体が、仕事モードから、降りられなくなっている。

頭が仕事から離れないのは、意志が弱いからではありません。
身体が、まだ仕事モードのスイッチを、入れっぱなしにしているからです。

なぜ、スイッチが入りっぱなしになるのか

では、なぜスイッチが切り替わらなくなるのか。

ひとつは、長時間、高い緊張状態が続くことです。
一日中、気を張り続けていると、交感神経が優位な状態が、当たり前になります。
すると身体は、それが「通常運転」だと思い込み、オフへの戻し方を忘れていく。

もうひとつは、身体そのものが、緊張したままだからです。
肩がこわばり、呼吸が浅く、力が抜けていない。
身体が緊張のサインを出し続けていると、脳は「まだ気を抜くな」と受け取り、オフのスイッチを、入れさせてくれません。

つまり、頭が休まらないのは、頭だけの問題ではない。
その下で、身体が、オフになれない状態を、つくり出しているのです。

頭で「休もう」としても、休まらない

ここが、多くの人がつまずくところです。

切り替えができないとき、人は、頭で解決しようとします。
「考えないようにしよう」「気持ちを切り替えよう」と。

でも、身体が仕事モードのままでは、これはうまくいきません。
身体が緊張のサインを送り続けている限り、
どれだけ頭で「休もう」と念じても、脳はオフに切り替わらない。

順番が、逆なのです。
気持ちを切り替えてから身体がゆるむのではなく、
身体がゆるむから、気持ちが切り替わる。

だから、オンオフの切り替えを取り戻すには、頭ではなく、身体のほうから、オフのスイッチを入れてあげる必要があります。

身体から、オフに入る

身体からオフに入るとは、具体的には、こういうことです。

緊張して固まった筋肉を、ゆるめられる状態にする。
浅くなった呼吸を、深く、長く吐けるようにする。
アクセルとブレーキ、両方を使い分けられる身体を、取り戻す。

こうして、身体が「もう安全だ、休んでいい」というサインを出せるようになると、
脳のオフのスイッチも、自然と入るようになります。

仕事モードのまま生き続けるのは、車のエンジンを、一日中かけっぱなしにしているようなものです。
いつか、必ず、どこかが壊れます。

しっかりオフに入れる身体は、しっかりオンで働ける身体でもあります。
切り替えができるからこそ、オンのときに、全力を出せる。

B-side GYM の考え方

気持ちを切り替えてから身体がゆるむのではなく、
身体がゆるむから、気持ちが切り替わる。順番は、身体から。

もし、頭が仕事から離れず、休んでも回復しないと感じているなら。
それは、あなたの心がけの問題ではなく、身体がオフに入れなくなっているサインかもしれません。

一度、身体のほうから、オフに入る感覚を、取り戻してみてください。