疲労と、眠れることは、イコールではない
まず、大きな誤解を解いておきます。
「疲れている=眠れる」ではありません。
眠りに入るには、身体が、休むモードに切り替わっている必要があります。
自律神経のうち、回復を司る副交感神経が優位になって、
心拍が落ち着き、身体がゆるんで、はじめて、すっと眠りに入れる。
ところが、疲れきっているのに眠れない人は、
身体は疲労困憊なのに、神経だけが、まだ興奮したままなのです。
アクセルが踏まれっぱなしで、エンジンだけが空回りしている。
ガソリンは切れかけているのに、アクセルから足が離せない。
これが、疲れているのに眠れない、という状態の正体です。
疲れは、眠りを保証してくれません。
眠るには、疲れとは別に、「神経が鎮まっていること」が必要なのです。
一日の緊張が、夜に持ち越される
では、なぜ神経が、興奮したままになるのか。
日中、気を張り、判断を続け、緊張し続けていると、
交感神経が、優位な状態が長く続きます。
この状態が、夜になっても、すぐには切り替わりません。
特に、日中の緊張が強かった日や、寝る直前まで頭を使っていた日は、
神経の興奮が、夜まで持ち越されてしまう。
身体は「もう限界だ」と疲れているのに、神経は「まだ気を抜くな」と興奮している。
この、身体と神経のちぐはぐが、眠れない夜をつくります。
さらに、身体そのものが緊張していることも、拍車をかけます。
肩がこわばり、呼吸が浅いままだと、
脳は、その緊張を感じ取って、「まだ危険だ」と判断し、眠りに必要なブレーキを、かけさせてくれません。
「寝よう」と頑張るほど、眠れない
やっかいなのは、眠れないときに「早く寝なければ」と焦ると、それ自体が、交感神経を刺激してしまうことです。
眠らなきゃ、という緊張が、神経をさらに興奮させ、ますます眠れなくなる。
眠れない夜に、焦れば焦るほど目が冴えるのは、これが理由です。
眠りは、頑張って掴みにいくものではありません。
むしろ、力を抜いて、神経が鎮まるのを、待つもの。
だから、眠るために必要なのは、努力ではなく、
神経を興奮から鎮める、身体の状態をつくることなのです。
B-side GYM の考え方
眠りは、掴みにいくものではなく、鎮まるのを待つもの。
眠れる身体は、夜ではなく、一日を通してつくられる。
眠れる身体は、日中からつくられる
まとめます。
疲れているのに眠れないのは、身体は疲労していても、神経が興奮から鎮まっていないからです。
そして、その興奮は、日中の緊張が、夜まで持ち越された結果です。
だから、眠りを変えたいなら、夜の対策だけでは足りません。
日中、緊張しっぱなしにならない身体。
興奮したら、きちんと鎮まれる、切り替えのきく身体。
浅くなった呼吸を、深く戻せる身体。
こうした土台があってはじめて、夜、自然と眠りに入れるようになります。
眠れる身体は、夜つくるものではなく、一日を通してつくられるものです。
もし、疲れているのに眠れない夜が続いているなら。
それは、あなたの神経が、鎮まる力を失っているサインかもしれません。
眠り方を工夫する前に、その土台となる、鎮まれる身体を、取り戻してみてください。