しっかり寝ているはずなのに、朝から身体が重い。
時間は確保しているのに、日中も眠気が抜けない。

そういう経営者は、とても多いです。

睡眠が足りていないのだと思って、早く寝てみる。それでも、変わらない。

理由は、はっきりしています。
あなたに足りていないのは、睡眠時間ではありません。
睡眠の質です。

そして、その質を決めているのは、寝る前ではなく、日中のあなたの身体です。

眠りには、深さがあります

まず、睡眠の仕組みを簡単にお話しします。

眠っている間、私たちは浅い眠りと深い眠りを、繰り返しています。

このうち、身体が本当に回復するのは、深い眠りのときです。この深い眠りの間に、疲れが取れ、身体が修復され、脳が整理される。

つまり、大事なのは何時間寝たかではなく、
深い眠りにどれだけ入れたか、です。

7時間ベッドにいても、その中身が浅い眠りばかりなら、身体は回復しません。
逆に、深く眠れていれば、多少短くても、しっかり回復できます。

あなたが「寝ても疲れが取れない」と感じているなら、時間の問題ではなく、この深い眠りに入れていない可能性高いのです。

深く眠れないのは、身体が「オフ」になれないから

では、なぜ深く眠れないのか。

身体が、休むモードに切り替わっていないからです。

私たちの身体には、活動するときのモードと、休むときのモードあります。昼は活動モードで働き、夜になると休むモードに切り替わって、深い眠りに入る。

これが、本来の流れです。

ところが、経営者の身体は、この切り替えがうまくいきません。

一日中、気を張り、判断を続け、常に活動モードで走っている。その状態が、夜になっても抜けない。身体は「まだ気を抜くな」と思ったまま、ベッドに入ることになります。

活動モードのまま横になっても、深い眠りには入れません。
だから、時間だけが過ぎて、回復しないのです。

昼の緊張が、夜の眠りを浅くする

ここが、いちばん大事なところです。

深く眠れない原因は、夜ではなく、昼にあります。

日中、身体が緊張しっぱなしだと、その緊張は夜まで持ち越されます。
肩が張ったまま、呼吸が浅いまま、力が入ったまま、夜を迎える。

この状態では、身体は休むモードに切り替われません。

寝る前にストレッチをしても、スマホをやめても、根本の緊張が抜けていなければ、効果は限られます。なぜなら、問題は寝る直前の習慣ではなく、一日を通して積み上がった身体の緊張だからです。

つまり、睡眠の質を上げたいなら、夜の過ごし方を変えるより先に、日中の身体を変える必要があります。

眠りを変えるのは、日中の身体づくり

深く眠るために必要なのは、力を抜ける身体です。

日中、必要なときだけ力を使い、あとは緩めていられる身体。
オンとオフを、自分で切り替えられる身体。

そういう身体になると、夜、自然と休むモードに入れるようになります。無理に眠ろうとしなくても、身体のほうが勝手にオフになってくれる。

そのためには、緊張を抜く感覚を取り戻し、身体の土台を整えていく必要があります。

これは、寝る前の数分でどうにかなるものではありません。日中の身体そのものを、時間をかけてつくり変えていくことです。

遠回りに聞こえるかもしれません。でも、これが「寝ても回復しない」から抜け出す、唯一の道です。

今夜からできる、2倍呼気呼吸

とはいえ、今夜からできることも、ひとつお伝えします。

やり方は、とてもシンプルです。
吐く時間を、吸う時間の倍にする。それだけです。

たとえば、4秒かけて鼻から吸ったら、8秒かけて口から吐く。
3秒吸ったら、6秒で吐く。
秒数は正確でなくて構いません。吸うより、吐くほうを長くする。これだけを守ってください。

なぜ、吐く息を長くするのか。

息を吐いているとき、身体は休むモードに傾きます。だから、吐く時間を意図的に長くすると、活動モードに偏った身体を、休むほうへ引き戻せるのです。

この仕組みは、以前肩こりの人は、全身の疲労が取れない」で書いた、呼吸と自律神経の関係同じ話です。

ベッドに入って、これを10回ほど繰り返してみてください。一日中入りっぱなしだったスイッチが、少しずつオフに向かいはじめます。

これは、寝る前だけでなく、日中でも使えます。判断に疲れたとき、気が張っていると感じたとき、デスクで何度か繰り返す。それだけでも、緊張の積み上がり方が変わってきます。

もちろん、これだけで根本が変わるわけではありません。
でも、自分の身体のスイッチは、呼吸で動かせる。まずは、その感覚を知ることからです。

B-side GYM の考え方

深く眠れる身体は、深く働ける身体でもあります。
夜の過ごし方より、日中の身体そのものを整えていく。

眠れないのは、あなたのせいではありません

もう一度、お伝えします。

寝ても疲れが取れないのは、あなたの睡眠時間が足りないからでも、寝る努力が足りないからでもありません。
一日中走り続けた身体が、夜になっても、休むモードに切り替われないだけです。

そして、その切り替えは、身体から取り戻せます。

もし、何時間寝ても疲れが抜けないと感じているなら。
夜の過ごし方ではなく、日中の身体のほうに、目を向けてみてください。

深く眠れる身体は、深く働ける身体でもあります。その土台を整えることが、睡眠も、日中のパフォーマンスも、まとめて変えていきます。