運動を始めても、続かない。
ジムに入会したのに、いつのまにか行かなくなった。
そういう経験があると、人はこう考えます。
「自分は意志が弱いんだ」と。
でも、それは間違いです。
運動が続かないのは、意志の問題ではありません。仕組みの問題です。
続く人は、意志が強いのではなく、続く仕組みを持っているだけ。
逆に言えば、仕組みさえ整えれば、意志に頼らなくても続きます。
その仕組みの作り方を、お話しします。
意志の力は、いちばんあてにならない
まず、大前提をお伝えします。
意志の力は、長続きしません。
やる気に満ちているのは、始めた最初だけ。
仕事が忙しくなり、疲れが溜まり、気分が乗らない日が来ると、意志はあっさり折れます。
これは、あなたが弱いからではありません。
人間の意志とは、そもそもそういうものだからです。
だから、続けるために意志を使おうとすること自体が、間違いなのです。
意志が弱っても回り続ける仕組みを、先につくっておく。続く人は、これを知っています。
では、どういう仕組みなら続くのか。具体的に見ていきます。
仕組み1|既存の習慣に、くっつける
いちばん効くのが、すでにある習慣に、新しい行動をくっつけることです。
ゼロから新しい習慣をつくるのは、とても大変です。
でも、毎日必ずやっていることに便乗すれば、負担がぐっと減ります。
- 歯を磨いたら、スクワットを10回
- 朝、コーヒーを淹れている間に、ストレッチ
- 風呂上がりに、その場で足踏み
すでにある習慣が、新しい行動の「合図」になります。
歯磨きが、スクワットのスイッチになる。こうすると、いちいち「やろう」と決意しなくても、身体が勝手に動き出します。
仕組み2|「もし〜したら」で、先に決めておく
もうひとつ強力なのが、行動を、条件とセットで先に決めておくことです。
「もし〜になったら、〜する」
この形で、あらかじめ決めておくのです。
- もし昼休みになったら、10分歩く
- もし会議が終わったら、肩を回す
- もし夜21時になったら、ストレッチを始める
人は、その場で「どうしようか」と考えると、たいてい楽なほうを選びます。
でも、条件と行動を先に決めておくと、迷う余地がなくなる。その状況が来たら、考えずに、自動的に動ける。
決断を、その場でしない。
先に決めておいて、あとは実行するだけにしておく。これだけで、続く確率は大きく変わります。
仕組み3|人を、巻き込む
一人で続けるのは、難しいものです。
だから、他人を巻き込みます。
- 友人と一緒に始める
- 家族に宣言する
- トレーナーと約束する
人は、自分との約束は簡単に破りますが、他人との約束は破りにくい。
誰かが見ている、誰かと約束した、という状況が、続ける力になります。
サボりたい日でも、「約束したから」で動ける。
この外からの力を、うまく使うのです。
仕組み4|最初から、頑張りすぎない
最後に、いちばん大事なことです。
そもそも続かない人の多くは、スタートで力を入れすぎています。
一念発起して、毎日1時間走る、ジムに週4で通う、と意気込む。
ゼロだった人が、いきなり100を目指す。そして、たいてい3日でエネルギーが尽きて、やめてしまう。
これは、運動に限った話ではありません。
何かを0か100かでしか捉えられないと、いつも全力で始めて、いつも燃え尽きる。
続く人は、逆です。
最初から、拍子抜けするほど低く始めます。
「これなら、どんなに疲れていてもできる」というくらい、ハードルを下げる。
スクワット1回でもいい。1分歩くだけでもいい。
物足りないくらいで、ちょうどいいのです。
大事なのは、その日の量ではなく、途切れさせないことです。小さくても続けば、それはやがて習慣になる。習慣になって、当たり前になってから、少しずつ増やせばいい。
100で始めて3日でやめるより、10で始めて1年続けるほうが、はるかに遠くまで行けます。
頑張って続けるのではなく、頑張らなくても続く設計にする。
これが、続ける仕組みの、いちばんの核心です。
続ける仕組みの4つ
①既存の習慣にくっつける。②「もし〜したら」で先に決めておく。
③人を巻き込む。④最初から頑張りすぎない。
仕組みでも続かないなら、それでいい
ここまで仕組みの話をしてきましたが、正直にお伝えします。
それでも、一人で続けるのは、やっぱり難しいものです。
仕組みをつくるのも、それを維持するのも、結局は自分一人でやろうとすると、どこかで崩れます。
そして「また続かなかった」と、自分を責めてしまう。
だからこそ、私たちのような伴走者がいます。
続ける仕組みそのものを、あなたの代わりに設計し、隣で維持する。
サボりそうな日も、うまくいかない日も、一緒に走り続ける。
続かないのは、あなたのせいではありません。
一人で続けようとしているだけ、かもしれません。
続く仕組みそのものを誰かに設計してもらうという発想は、以前「なぜ、ジムは続かないのか。続く設計の話」でも書きました。
もし、何度も挫折してきたなら。
今度は、続く仕組みごと、誰かに支えてもらうことを考えてみてください。