30代の頃は、夜の炭水化物を抜けば2週間で体重が落ちた。
同じことを40代でやっても、ほとんど変わらない。
「歳をとって代謝が落ちたから仕方ない」と、あきらめかけている方は多いと思います。

結論から言うと、40代で痩せにくくなった主な原因は、年齢による代謝の低下だけではありません。
筋肉の量、仕事以外で身体を動かす量、睡眠、ストレス。
この10年ほどで少しずつ変わってきた生活の中身が、体重に表れていることが多いのです。
そしてその変化は、食事を減らすだけでは取り戻せません。

40代で痩せない理由は、「固定費」ではなく「毎日の出入り」

身体のエネルギーを、家計簿にたとえてみます。

生きているだけで使うエネルギー(基礎代謝)は、家賃のような固定費です。
通勤や家事、階段、立ち話など、運動以外で身体を動かして使うエネルギーは、日々の細かな出費。
食事は収入です。

2021年に科学誌『Science』に発表された、約6,400人のデータをまとめた研究では、体の大きさなどを考慮すると、1日に使うエネルギーは20代から60歳ごろまでほぼ一定だったと報告されています。
つまり、40代になったからといって、固定費が急に下がるわけではないのです。

変わったのは、むしろ日々の出入りのほうです。
デスクワーク中心になり、移動はタクシー、休日は疲れて動かない。
運動以外で使うエネルギーは人によって大きく違い、ここが減ると、同じ食事でも少しずつ余るようになると言われています。

40代の身体で、実際に変わっていること

筋肉が少しずつ減っている
筋肉は、じっとしていてもエネルギーを使う組織です。
動かない生活が続くと筋肉は減り、使うエネルギーもじわじわ減ります。
くわしくは基礎代謝は「取り戻す」ものだと書いた記事でもお話ししました。

睡眠が削られている
睡眠不足は、食欲を強める方向に働くことが知られています。
普段6時間半未満しか眠れていなかった人が、2週間、睡眠を約8時間半に延ばしたところ、1日の摂取カロリーが平均で約270キロカロリー減ったという研究もあります。
40代で責任が増え、睡眠が削られると、収入側が気づかないうちに増えていくのです。

ストレスで、ブレーキが効かない
仕事の緊張が続くと、自律神経のアクセルが踏まれたままになり、夜になっても身体が休まりにくくなります。
疲れているのに甘いものに手が伸びる、という状態は、意志の弱さより身体の状態から来ていることが多いと考えています。

女性の場合は、40代後半からの女性ホルモンの変化で、お腹まわりに脂肪がつきやすくなるとも言われています。

食事を減らすほど、痩せにくくなる仕組み

痩せないと感じると、多くの方はさらに食事を削ります。
家計で言えば、収入を減らして帳尻を合わせようとする状態です。

ところが、食事を大きく減らして体重を落とすと、減った体重には脂肪だけでなく筋肉も含まれます。
筋肉という資産を取り崩しながら、目先の数字を合わせている。
食事を戻したときに、以前より使うエネルギーが少ない身体になっていて、体重が戻りやすくなります。

40代で「同じダイエット」が効かなくなるのは、若い頃より取り崩せる資産が少なく、取り崩したときの影響が大きいからかもしれません。

40代からのダイエットで、自分でできる2つのこと

1. 座りっぱなしを、30分ごとに切る

特別な運動をしなくても、日々の小さな出費を取り戻すことができます。

2. 寝る時間を、30分だけ前倒しする

食欲を抑えようと我慢するより、食欲が暴れにくい身体の状態をつくるほうが、長く続きます。

なお、食事を変えていないのに短い期間で体重が大きく増えた、または減った、強いむくみやだるさが続くといった場合は、体質ではなく病気が隠れていることもあります。
その場合は、まず内科で相談してください。

40代のダイエットは、削る前に順番を変える

セッションで40代の方の身体を見せていただくと、肩や腰がこわばり、呼吸が浅く、身体の奥で姿勢を支える筋肉がうまく働いていない方が多くいらっしゃいます。
この状態で急に追い込む運動を始めると、疲れて続かないか、どこかを痛めてしまいます。

B-side GYMでは、まず力みを抜いて呼吸が深く入る状態をつくり、支える筋肉が働くようにしてから、必要な筋肉を積んでいきます。
そのほうが日常の動きそのものが大きくなり、出費が自然と増えていくからです。
こうした順番を一人で見極め、続けていくのは簡単ではありません。
食事の考え方は、ダイエットとは生活習慣を身につけることだと書いた記事もあわせて読んでみてください。

B-side GYM の考え方

削る前に、出入りを見直す。
40代のダイエットは、筋肉という資産を守りながら進めます。

痩せない身体ではなく、出入りが変わった身体

40代で痩せないのは、身体が衰えたからではありません。
固定費はほとんど変わらないまま、毎日の出入りが静かに変わってきただけです。

家計を立て直すときに、まず何にお金が出ているかを見るように、身体もまず、何が減って何が増えているのかを知ることから始まります。
渋谷や表参道で忙しく働く方ほど、削る前に、自分の出入りを一度見直してみてください。