① 力を抜く

まず、整えることの出発点は、力を抜くことです。

忙しく働く人の身体は、一日中、気を張り、力みっぱなしになっています。
何もしていない時間でさえ、どこかに力が入っている。

しかも、多くの人は、力の使い方が、0か100になっています。
全力で入るか、完全に止まるか。その中間がない。
だから、抜こうと思っても、抜けなくなっている。

整えることの第一歩は、この抜けなくなった身体に、「力を抜く」という感覚を、もう一度思い出させることです。

30パーセントで動く、50パーセントで力を使う。
そういう、力のグラデーションを取り戻す。
すべては、ここから始まります。

② 感覚を呼び覚ます

次に、鈍った感覚を、呼び覚まします。

私たちの身体には、自分の状態を感じ取るセンサーあります。
今、身体がどれくらい傾いているか。どれくらい力が入っているか。
それを感じ取る、内側の感覚です。

デスクワークや、同じ姿勢の生活が続くと、このセンサーは鈍っていきます。
すると、自分の身体が歪んでいることにも、力みすぎていることにも、気づけなくなる。

自分の状態が分からなければ、正しく動かしようがありません。
だから、整えるためには、この鈍ったセンサーを、もう一度働かせる必要があります。

自分の身体が、今どうなっているのかを、正しく感じ取れるようにする。
これが、2つめの「整える」です。

③ 支える筋肉を、目覚めさせる

3つめは、身体を支える、奥の筋肉を目覚めさせることです。

筋肉には、身体を動かす表面の筋肉と、身体を支える奥の筋肉があります。
このうち、姿勢を安定させ、身体の土台になっているのが、奥の筋肉です。

ところが、崩れた身体では、この奥の筋肉が、うまく働いていないことが多い。
支える仕事をサボっている状態です。

すると、その分を、表面の筋肉が力ずくで補うことになり、
身体は、常に力んで、こわばってしまう。

だから、眠っている奥の筋肉を、もう一度、働けるようにする。
土台がちゃんと支えてくれれば、表面の筋肉は、無駄に力まなくて済むようになります。

④ 正しい位置に、戻す

そして4つめが、身体を正しい位置に戻すことです。

身体の筋肉は、前後・左右で引っ張り合って、バランスを取っています。
このバランスが崩れると、骨や関節が、本来あるべき位置からずれていきます。
猫背、巻き肩、反り腰。すべて、この位置のずれです。

硬く縮んで、強く引いている側をゆるめ、
引き伸ばされて弱っている側を働かせる。
そうやって、引っ張り合いのバランスを整え、骨や関節を、正しい位置に戻していきます。

頭が、身体の真上にすっと乗る。
背骨が、自然なカーブで立つ。

そういう、本来あるべき配置を取り戻すことが、4つめの「整える」です。

整えて、はじめて「積める」

この4つ、力を抜き、感覚を呼び覚まし、支える筋肉を起こし、正しい位置に戻す。
これらをまとめて、私たちは「整える」と呼んでいます。

そして、なぜ整えることが、そんなに大事なのか。
整っていない身体で、いくら鍛えても、その上には何も積み上がらないからです。

土台が傾いたビルに、階を重ねれば、傾きは増すばかり。
崩れた身体のまま運動すれば、崩れごと強くしてしまう。

だから、整えることは、鍛える前の、準備運動ではありません。
その後のすべての土台をつくる、いちばん大事な工程なのです。

整えて、正しく動けるようにして、それから積む。
この順番でこそ、身体は、確実に変わっていきます。

B-side GYM の考え方

整えるとは、力を抜き、感覚を取り戻し、支える筋肉を起こし、正しい位置に戻すこと。
整えて、それから積む。この順番で、身体は変わる。

「整える」を、体感してほしい

「身体を整える」という言葉は、こうして分解すると、決して、ぼんやりしたものではありません。

力を抜き、感覚を取り戻し、支える筋肉を起こし、正しい位置に戻す。
一つひとつが、明確な目的を持った、具体的な工程です。

そして、これは言葉で理解するより、実際に体感してもらったほうが、はるかに早く伝わります。

整った身体が、どれほど軽く、楽なのか。
力が抜けた身体が、どれほど動きやすいのか。
それは、味わってみて、はじめて分かります。

もし、「整える」の本当の意味を、身体で知りたいと思ったら。
一度、その感覚を、確かめに来てみてください。