気合いとは、身体の「前借り」です

気合いを入れる、火事場の馬鹿力を出す。
このとき、身体の中では、交感神経が強く働き、アドレナリンやコルチゾールといった、興奮系のホルモンが分泌されています。

これらは、一時的に、心拍を上げ、血糖を上げ、身体を臨戦態勢にする。
痛みや疲れの感覚も、一時的に麻痺させます。
だから、限界を超えて、動けてしまう。

でも、これは、新しくエネルギーを生み出しているわけではありません。
本来なら「もう休め」と教えてくれる、身体のブレーキを、一時的に外しているだけ。
いわば、身体を前借りして、走っている状態です。

そして、前借りには、必ず返済が来ます。
気合いで乗り切った後に、どっと疲れが出るのは、
借りていたものを、身体に返しているからです。

前借りを繰り返すと、戻れなくなる

たまの前借りなら、問題ありません。
返済して、また回復すれば、身体はもとに戻ります。

問題は、これが常態化したときです。

毎日、気合いで乗り切る。
常にアドレナリンを出して、自分を奮い立たせる。
これを続けると、交感神経が、ずっと優位なままになります。

すると、身体はアクセルが踏まれっぱなしになり、
ブレーキ、つまり回復モードに、切り替われなくなる。
返済する時間がないまま、借金だけが、積み上がっていく状態です。

こうなると、いくら休んでも疲れが抜けない、眠りが浅い、常にそわそわして落ち着かない、といった不調が現れます。
気合いで乗り切れていたはずが、気合いを入れても、力が出なくなる。
前借りの限界です。

「気合いが出せる」のは、回復があってこそ

ここで、大事なことをお伝えします。

気合いそのものは、悪いものではありません。
ここぞという場面で、ぐっと出力を上げられる力は、大きな武器です。

問題は、気合いに「頼りきる」ことです。

本来、気合いは、しっかり回復した身体があってこそ、活きます。
ブレーキを踏んで、きちんと休み、エネルギーを満たしてあるからこそ、
ここぞでアクセルを、力強く踏める。

回復という土台がないまま、アクセルだけを踏み続けると、
出せる力そのものが、どんどん目減りしていきます。

つまり、いざというときに気合いを出せる人とは、普段、きちんと回復できている人なのです。

B-side GYM の考え方

気合いは、回復の上に乗る出力。
ブレーキを踏めない身体に、強いアクセルは踏めない。

気合いに頼らなくていい身体へ

まとめます。

気合いで乗り切るとは、身体を前借りすることです。
たまになら問題ありませんが、常態化すると、返済が追いつかなくなり、
やがて、気合いすら出せない身体になってしまいます。

大事なのは、気合いをやめることではなく、
気合いに頼りきらなくても走れる身体と、
いざというとき、しっかり気合いを出せる回復力を、両方持つことです。

そのためには、アクセルとブレーキを使い分けられる身体を、取り戻す必要があります。
特に、多くの人が忘れている、ブレーキ、つまり回復の力を。

もし、気合いで乗り切るのが当たり前になっていて、
最近、その気合いすら出にくいと感じているなら。
それは、前借りが、限界に近づいているサインかもしれません。

一度、アクセルを緩めて、回復できる身体を取り戻すことから、始めてみてください。