「体幹を鍛えたい」
そう言う人の多くが、思い浮かべているのは、割れた腹筋や、シックスパックです。
でも、本当の体幹は、見た目の筋肉のことではありません。体幹とは、あなたの身体を、内側から支える土台のこと。そして、この土台は、姿勢や疲れやすさ、さらには頭の働きにまで、深く関わっています。
体幹とは、本当は何なのか。お話しします。
体幹は「見せる筋肉」ではなく「支える筋肉」
筋肉には、大きく2つの種類があります。
ひとつは、身体を動かす、表面の筋肉。腹筋を割る、腕を太くする、といった、目に見える筋肉です。
もうひとつは、身体を支える、奥の筋肉。関節を正しい位置に留め、姿勢を安定させる、土台の筋肉です。
体幹の本質は、後者、つまり奥で身体を支える筋肉にあります。
お腹の表面を割ることと、身体を内側から安定させることは、まったく別の話です。シックスパックがあっても、奥の支える力が弱ければ、姿勢は崩れ、疲れやすいまま。逆に、見た目は普通でも、奥の土台がしっかりしていれば、身体は安定し、疲れにくい。
CORE の本質
体幹とは、見せるものではなく、支えるもの。ここを取り違えると、いくら腹筋をしても、身体は変わりません。
土台が抜けると、全身が不安定になる
なぜ、支える筋肉が、それほど大事なのか。
身体を、一本の柱で支えるテントに例えてみます。中心の支柱がしっかり立っていれば、テントは安定します。でも、支柱がぐらついていたら、いくら外側のロープを張っても、全体が不安定なままです。
体幹は、この中心の支柱です。
奥の支える筋肉が働いていないと、身体の中心が安定しません。すると、その不安定さを補うために、あちこちの筋肉が、余計に力を使うことになります。肩がこる、腰が張る、姿勢が崩れる。その根っこに、体幹という土台の弱さが隠れていることは、とても多いのです。
表面の不調を追いかけても、中心の支柱が弱いままなら、根本は変わりません。
体幹が整うと、脳にも余裕が生まれる
体幹の影響は、身体だけにとどまりません。
奥の支える筋肉が、無意識のうちに身体を安定させてくれると、私たちは、姿勢を保つことに、意識を使わずに済みます。
逆に、体幹が弱いと、身体を支えるために、脳が余計な力を使い続けることになります。本来なら、考えることや集中することに使えるはずの脳の余力が、姿勢を保つことに、奪われてしまう。
つまり、体幹が整うことは、身体が安定するだけでなく、脳に余裕が生まれ、頭が働きやすくなることでもあるのです。
BODY & MIND
体幹は、見た目のためでも、力自慢のためでもありません。身体と頭の、両方のパフォーマンスを支える、土台なのです。
腹筋運動では、体幹は育たない
では、体幹を鍛えるには、どうすればいいのか。
多くの人は、腹筋運動を思い浮かべます。でも、いわゆる腹筋運動で鍛えられるのは、主に表面の、動かす筋肉です。奥の、支える筋肉には、なかなか効きません。
奥の筋肉を目覚めさせるには、派手な動きは要りません。むしろ、地味に見える動きのほうが効きます。
-
AWAKEN 1 / 仰向けで整える
仰向けで、手足をゆっくり動かしながら、身体の中心を安定させる。派手さはありませんが、奥の支える筋肉が着実に目を覚まします。
-
AWAKEN 2 / 四つ這いで協調させる
四つ這いで、バランスを保ちながら、手足を協調させて動かす。中心の安定と、手足の動きが結びつき、土台の筋肉が働きはじめます。
見た目は地味で、きつくもありません。でも、これこそが、本当の体幹に効く動きなのです。
支える土台を、取り戻す
まとめます。
体幹とは、割れた腹筋のことではありません。身体を内側から支え、姿勢を安定させ、脳にまで余裕を生む、土台のことです。
そして、その土台は、腹筋運動で見た目を鍛えても、育ちません。奥の支える筋肉を、正しく目覚めさせる必要があります。
自分の体幹が、今どういう状態なのか。奥の筋肉が、ちゃんと働けているのか。それは、自分ではなかなか分かりません。
もし、疲れやすさや、姿勢の崩れに悩んでいるなら。見える筋肉ではなく、その奥にある、支える土台に目を向けてみてください。
体幹という土台が整うと、身体も、頭も、驚くほど軽くなります。その変化を、一度、体験してもらえればと思います。