「時間がない」と
いう答え

経営者に、運動をすすめると、ほとんどの方がこう言います。

「その大切さはわかっている。でも、時間がない」

痛いほどわかります。
分刻みのスケジュール。次々と入る判断。自分のために使える時間なんて、どこにもない。

でも、ひとつだけ、問い直させてください。
その「時間がない」は、本当に、運動しないことで解決しているでしょうか。

給油の時間を惜しむと、
遠くには行けない

車で、長い距離を走ることを想像してみてください。

ガソリンを入れるために止まれば、その数分は、確かに時間のロスです。
先を急ぐなら、給油なんてせずに、走り続けたい。

でも、入れずに走れば、どうなるか。
どこかで必ず、ガス欠を起こして止まります。
そうなれば、数分どころではない時間を、失うことになります。

そして、もうひとつ大事なことがあります。
満タンで走る車は、軽やかに、速く進めます。
きちんと給油した状態のほうが、結果的に、速く、遠くまで行ける。

身体を動かさずに働き続けるのは、この「給油せずに走る」状態とよく似ています。

目先の数分を惜しんで、走り続ける。
けれどその代償として、失速し、いつか止まる。
時間を節約しているつもりで、実は、遠くへ行く力を削っているのです。

疲れた身体は、
あなたの時間を
静かに奪っている

「運動する時間がない」ほど忙しく、疲れているとします。
その疲れは、あなたの時間を、見えないところで奪っています。

疲れていると、判断が遅くなる。
集中が続かず、同じ仕事に、余計な時間がかかる。
頭が回らず、いつもの手癖で処理して、あとでやり直しになる。

本来なら1時間で終わる仕事に、2時間かかる。
その差の1時間は、疲れが奪っていった時間です。

つまり、こういうことです。
運動する時間がないのではなく、整えていないから、時間が奪われている。
順番が、逆かもしれないのです。

給油を惜しんで走り続けるほど、燃費が悪くなり、同じ距離に、より多くの時間とエネルギーを使う。
これが、疲れたまま働き続ける経営者に、実際に起きていることです。

止まることは、
速く進むための
手段です

一流のドライバーほど、ピットインを軽視しません。

レースの途中で止まるのは、一見、タイムのロスに見えます。
けれど、タイヤを替え、燃料を入れるからこそ、そのあと最高の速度で走りきれる。
止まることを恐れて走り続ける車は、レースを完走できません。

経営も、同じではないでしょうか。

止まる時間、整える時間は、前進を諦める時間ではありません。
そのあと、最高の速度で走り出すための、準備の時間です。

しかも、身体を整えるのに、長い時間は要りません。
大切なのは、長さより、質と継続です。
短くても、正しく身体を動かし、回復のスイッチを入れられれば、燃費は変わっていきます。

問題は、時間の長さではなく、給油する習慣があるかどうかなのです。

いちばん忙しい人こそ、
整えるリターンが
大きい

ここに、逆説があります。

時間がない人ほど、身体を整えるリターンは、大きくなる。

なぜなら、あなたの1時間は、それだけ価値が高いからです。
その価値の高い1時間の質が、疲れによって落ちているなら、そこを取り戻す効果は、誰よりも大きい。

判断が速くなる。集中が戻る。同じ仕事が、短い時間で終わる。
整えることで生まれた時間は、給油に使った数分を、何倍にもして返してくれます。

忙しいから、整えない。
そうではなく、忙しいからこそ、整える。
これは、時間術ではなく、経営判断の話だと、私は思っています。

B-side GYM の考え方

運動する時間がない、のではない。
整えていないから、時間が奪われている。
その順番を、静かに入れ替える。

その一台を、
止めないために

もう一度、お伝えします。

「運動する時間がない」は、給油せずに走り続けているサインかもしれません。
目先の数分を惜しむほど、失速し、遠くへ行く力は削られていきます。

あなたという一台は、替えがききません。
その一台を長く、速く走らせ続けるために、給油の時間を、少しだけ確保してみてください。

止まることは、負けではありません。
それは、この先も走り続けるための、いちばん賢い一手です。